「AGAの治療薬で副作用が起こらないか心配…」
「本当にAGA治療薬は安全なのか知りたい」
薄毛を改善するために使われるAGA治療薬ですが、副作用の心配はないのかと不安になりますよね。
そこでこの記事では、医師監修のもと、
- AGA治療薬の副作用
- 安心してAGA治療を進めるポイント
について解説します。
AGA治療薬の副作用について理解を深めることで、安心して治療を受けることができますよ。
*この記事では学術的な内容に関して医師の方に監修をいただいています。
AGA治療薬に副作用はある?
まず結論から言うと、AGA治療薬は副作用が起きる可能性があります。
しかし、副作用が起きる確率は高くないため、心配しすぎる必要はありません。
ここでは、AGA治療を行うクリニックの副作用に対する見解をもとに、AGA治療薬の副作用に対する考え方を解説します。
フィナステリドは厚生労働省の正式認可を受けている安全性の高い薬ですが、まれに肝機能障害や性欲減退等の副作用が認められるケースがあります。ですが、こういった副作用は先に挙げた風邪薬や頭痛薬などの市販薬を含むどの薬でも起こる可能性があるものであり、そのパーセンテージはむしろ市販薬の方が高いといえます。
ミノキシジルにおいては、その血管拡張作用によって吐き気や血圧低下等が起こるケースが報告されています。フィナステリド同様、副作用の心配はごく少ないものとなっています。
AGA治療で多くの方が使うことになるフィナステリドとミノキシジルの副作用についての見解です。
副作用が起こる可能性はあるものの、心配しすぎる必要はありません。
また、以下はAGA専門クリニックの聖心毛髪再生外来の見解。
聖心毛髪再生外来では、AGA治療薬の内服処方にあたり、事前に血液検査にて肝機能や腎機能などの状態を確認させていただきます。また内服治療中は定期的(6ヶ月)に血液検査を行い、専門医がその結果と診察をもとに処方を行っています。検査結果により医師が治療を中止したほうがよいと判断した際は、その指示に従っていただきます。
引用:聖心毛髪再生外来公式HP
AGA専門クリニックでは、できるだけ副作用が出ないように検査や診察を行っています。
また、AGA治療で副作用が出た場合でも、AGAクリニックでは副作用を抑えながら治療を継続できる方法を考えてくれます。
万が一、AGA治療の副作用が出た場合は、副作用を抑えながらAGA治療を続ける方法を患者さんに提案しています。例えば、副作用で多い症状はEDですが、勃起障害が出るようであればED治療薬を併用したりします。また、内服で改善しなければ、AGAの内服薬を中止し、ミノキシジルローションのみで経過を見る方法を選ぶこともあります。
AGAクリニックの医師に相談し、副作用のリスクを抑えながら治療を進めましょう。
安心してAGA治療を進められるよう、これから解説する次のポイントは十分に理解しておきましょう。
- どんな副作用が起こるのか
…副作用が起きたら気づくことができる - 副作用を起こさないためにできることは何か
…副作用が起きるリスクを最小限にできる
【成分別】AGA治療薬の副作用
ここでは成分別にAGA治療薬の副作用を解説します。
AGA治療薬に使われる代表的な成分は、「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」の3種類です。
副作用の症状が異なるので、それぞれの特徴を知っておきましょう。
*これから説明するAGA治療薬の副作用は男性向けの内容になっています。女性の方の場合、副作用の症状やリスクの高さが変わってくるため注意してください。
AGA治療薬の副作用
①フィナステリドの副作用
抜け毛を防ぐ効果が認められている「フィナステリド」。
AGA治療薬として有名なプロペシアに使われており、AGA治療で広く使われる成分です。
プロペシアの安全性試験の結果を参考に、副作用の症状とリスクをまとめると以下の通り。
■主な副作用
- 生殖器の障害
…性欲の低下(リビドー減退)、勃起不全、射精障害、精液量減少など - 肝機能障害
■副作用のリスク
プロペシアの臨床試験では276の症例のうち9の症例(3.3%)で副作用が発現
フィナステリドは男性ホルモンを抑制するため、男性機能に関する副作用が起こる場合があります。
また、薬を飲むことで肝臓に負担がかかり肝機能障害が起こる可能性も。肝機能が低下している方は必ず医師に伝えておきましょう。
ただし、副作用が3.3%の症例で発現したという数字は高くないため、過度に心配する必要はありません。
抜け毛が増えるのは副作用ではない!
AGA治療薬の副作用と混同されますが、抜け毛が増えるのは副作用ではありません。初期脱毛という現象で、AGA治療薬が効いている証拠なので安心してください。
②デュタステリドの副作用
フィナステリドより強力な男性ホルモン抑制作用がある成分が「デュタステリド」。
副作用のリスクがやや高いため、フィナステリドが体に合わない時や効果が出なかった場合に処方されます。
デュタステリドを使った代表的な薬のザガーロを参考に、副作用の症状とリスクをまとめると以下の通り。
■主な副作用
- 生殖器の障害
…性欲の低下(リビドー減退)、勃起不全、射精障害、精液量減少など - 精神神経系
…頭痛、抑うつ気分 - 肝機能障害
- 腹部の不快感
■副作用のリスク
ザガーロの臨床試験では557の症例のうち95の症例(17.1%)で副作用が発現
うち、日本人は120症例のうち14例(11.7%)で副作用が発現
*参考:ザガーロの添付文書情報
フィナステリドと同じく生殖器や肝機能に影響が出るほか、頭痛や抑うつ気分の副作用が起こる可能性があります。
副作用が10%~20%の症例で発現しており、使用する際は注意する必要があります。
デュタステリドは副作用のリスクが高いので、効果が出るからと勧められても安易に使わないようにしましょう。医師から副作用のリスクについて十分な説明を受けた上で選択してください。
③ミノキシジルの副作用
髪の毛を生やす効果がある「ミノキシジル」。
リアップなどドラッグストアで入手できる発毛剤にも使われている成分で、頭皮に直接塗る外用薬として使われます。
リアップの試験結果や製品情報を参考に副作用をまとめると次の通り。
■主な副作用
- 皮膚炎
…頭皮の発疹・発赤、かゆみ、かぶれ、ふけ、使用部位の熱感など - 精神神経系
…頭痛、気が遠くなる、めまい - 循環器系
…胸の痛み、心拍が速くなる - 代謝系
…原因のわからない急激な体重増加、手足のむくみ
■副作用のリスク
リアップの臨床試験では50の症例のうち4の症例(8.0%)で副作用が発現
症状は、湿疹1件・毛のう炎1件・接触皮膚炎1件・総コレステロール値上昇1件
ミノキシジルを頭皮に塗布するため、副作用として皮膚炎が発現します。
また、ミノキシジルには血管を広げ血行を良くする効果があるため、循環器系の副作用が出る場合も。循環器系の治療を受けている方は必ず医師に伝えるようにしましょう。
ただし、もともと健康的な人は頭皮の炎症以外の副作用がほとんどなく心配しすぎる必要はありません。
ミノキシジルの内服薬に注意!
ミノキシジルを使った内服薬(タブレットタイプ)は国内でAGA治療薬として認可されていないので注意してください。万が一、医師から処方を受ける場合は、安易に承諾せず十分な説明を聞くようにしましょう。
*参考:日本皮膚科学会ガイドライン
安心してAGA治療を進めるための注意点
AGAの治療薬は大なり小なり副作用のリスクがあります。
ここでは、安心してAGA治療を進めるための注意点について解説するので、必ず理解しておきましょう。
個人輸入した治療薬は使用しない
個人輸入で入手したAGA治療薬は安全性が保障されていないため、絶対に使わないようにしましょう。
インターネットで購入できるAGA治療薬は、
- 雑菌などが混入している
- 関係のない成分で作られている
- 成分が入ってない、または少ない
など危険性が高い偽物の薬も流通しています。
また、個人輸入は全て自己責任。何かトラブルが発生した場合に誰も責任を取ってくれません。
AGA治療薬は必ず信頼できる医師から処方してもらいましょう。
残念ながら、AGA治療薬は偽物が流通しています。ネットなどを使って購入するのは危険なのでやめましょう。
治療前に医師の説明を十分に受ける
AGA治療薬を処方してもらう前に、医師から薬の説明を十分に受けることが大切です。
- 副作用が起こる可能性
- 起こりうる症状
- 起こった時の対処法
などしっかり説明を聞いてください。とくに、副作用が起きてしまった時に何をすべきか聞いておくことが重要です。
また、医師の診察を受ける際には持病や治療中の病気などを必ず伝えましょう。
体質に合わない治療薬や、普段飲んでいる薬と併用してはいけない治療薬を処方されてしまうかもしれません。
適切なAGA治療を受けるためにも、最初のカウンセリングの機会を大切にしましょう。
AGA治療薬を処方する時、医師は必ず薬の副作用について説明する義務があります。もし、説明が不足していた場合はしっかり質問するようにしましょう。
副作用が疑われる場合は医師に相談する
もし副作用が起きてしまったら、通っているAGAクリニックの医師に相談しましょう。
AGAクリニックの先生に相談することで、
- 副作用を抑えるための治療
- 治療薬の量を減らす
- 治療薬の種類を変える
など適切な処置を受けられますよ。
相談せずに治療薬の使用をやめてしまうと、薄毛が進行してしまい今までの治療が無駄になってしまいます。放置せずに早めに医師を頼るようにしてくださいね。
ちなみに、クリニックに通わずに自己判断で治療をしている場合は、近くの病院で医者に診てもらうことができます。
この場合は、実際に使っている治療薬を忘れずに持参するようにしてください。
副作用と思われる症状が出たら、自己解決してはいけません。必ず医師に報告してください。
報告する時は、
「いつから症状が出たのか」
「どんな症状が出たのか」
「他に使っている薬はないか」
を具体的に伝えるようにしましょう。
まとめ:AGA治療の副作用を理解して安全に治療を始めよう
AGA治療における副作用の種類や安心して治療を受けるための注意点について紹介しました。
副作用について正しく理解しておけば、安心して治療を始められますし、副作用が起きた時に適切な対処ができますよ。
また、医師のカウンセリングで副作用について不安を払拭することも大切です。
副作用について大きな心配はいりませんが、十分に理解した上で安心してAGA治療を始めましょう。
参考リンク:
AGA治療を始めようと考えている方は、下記の記事も参考に。AGA治療におすすめのクリニックをまとめています。